【Q】五輪塔って、どのようなお墓なのですか?

よしさん

2015年05月12日 07:21

【A】
お墓参りのときに見慣れた和型(和墓)とは違う変わった形の墓石を見ることがあるかと思います。
上から宝珠・半月・三角・丸・四角の五つの石を組み合わせたお墓で、これを「五輪塔」と呼びます。
下の石から順に、「ア・ヴァ・ラ・カ・キャ」という「梵字」を彫ります。
これは、密教でいうところの「地・水・火・風・空」という宇宙を構成する五大要素をあらわしています。
この世に存在しているすべてのものは、この五大要素を源にして生まれたり滅んだりしているとされ、このことを五輪といいます。
つまり、人もこの五大要素から生まれ死んだら五大要素へ回帰することになります。
そのような意味からすると、五輪塔は宇宙の真理を現し、故人の回帰する場所としてもっとも相応しい供養塔といえます。



また、この五輪塔の形は鎌倉時代から平安時代に多く作られ、現在に至っています。
真言宗の中興の祖といわれている覚鑁上人が、大日如来の即身成仏の教えと阿弥陀如来の極楽往生の教えは同じと主張し、
この主張と即身成仏の三つの修行とが結びつき、五輪塔の形が生まれたようです。
五輪塔の形は即身成仏の「身(手)・口(言葉)・意(心)」の三つの修行を表していて、
手に印を結び、口で陀羅尼経を唱え、座禅して瞑想している姿なのです。

このことから、五輪塔のお墓を建てると亡くなった人が必ず成仏し極楽往生できるとされ、
五輪塔は亡くなった人をもっとも大切にする最高のお墓とも言えます。

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