駒作りの巨匠 大澤建夫さん
富士駒の会 駒師
富月・東世 大澤建夫さん
富士駒・駒作りの会 事務局担当
大澤氏の製作した将棋駒が名人戦・竜王戦にて使用されている
個人としての作品は「富月(ふげつ)」という称号で製作
通信販売では「東世(とうせい)」という称号で販売
将棋の駒を一つ一つ手作りしている「富士駒の会」というサークルがある。平成4年にこの会を発足させた富月(ふげつ)こと駒師 大澤建夫氏は、将棋の駒師の仲でも注目されている逸材。しかも雑誌NHK将棋講座の裏表紙には、大澤氏が製作した駒が通信販売されている。このような方が富士宮市で活躍している。
駒作りに興味を持ったのは30年ほど前のこと。お子さんの将棋の試合を見ているうちに、「駒を自分で作ってみよう」と思い立ち、独学ではじめる。将棋駒の産地でもある山形県天童市の専門店で作品を見せたところ「売り物になる」と言われ購入してもらい、以来、駒作りにのめりこんで製作している。伊豆諸島御蔵島(みくるじま)の黄楊(ツゲ)の原木を買い付け、木地作り、彫り、漆の埋めと盛り上げまで一貫して製作し、これまで手掛けた作品は千点以上になる。「自身の作品が国内外の試合で使用されることは素直に嬉しい」これこそが駒作りの醍醐味という。
現在は、「富士駒・駒作りの会」を開いており、後進の育成に努めている。会員の中には、ネットで販売している方もおり、会員の作った彫り駒が将棋連盟に寄贈され喜ばれている。しかも、今年の1月には台湾での実演により、海外の方にも将棋駒の作り方を伝授している。
「富士駒・駒作りの会」の皆さん
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